鶴岡八幡宮の境内と道を挟んで向かい側がこの家の敷地です。鎌倉でも特に景観を考慮すべき地区だと思います。そこで現代的でありながらも鎌倉らしい少し和風の落ち着いた外観とするため、外壁のガルバリウム鋼板の張り方を工夫し、段張りの継ぎ目に押縁を設けて、和風の雰囲気を持たせました。この銀黒のガルバリウム鋼板は私が時々使う材料ですが、一枚ずつ職人が張るために手作り感があり、鈍く光る落ち着いた色で、さびや汚れがつかないメンテナンスフリーで、しかも経済的です。鎌倉の景観によくあう材料だと思います。そしてこのガルバリウム鋼板の色にあわせて茶色に塗装した杉板で玄関ポーチの壁や2階の雨戸をつくっています。プランは親夫婦と娘夫婦の二世帯住居です。写真に写っている親夫婦の居間はスペースを有効に使うため、テレビ台と2階の寝室に上がる階段の踊り場を組み合わせ、階段本体は圧迫感がないように細い鉄骨を溶接してつくっています。