片瀬の家


眺望を楽しむ家

 以前からの知人であるクライアントから改築の設計を依頼されました。古家付きの土地を購入して何年か住まわれていたのですが、もっとこの土地の良さを活かした設計の家に建て替えたいと言うことでした。
 敷地は江ノ島にほど近い高台の斜面で、西側には正面に富士山があり、天気がよければ丹沢山系から伊豆半島まで見渡せます。藤沢のまちと相模湾が眼下に広がり、夏には沿岸の花火がよく見えます。

深く低い軒

 しかし、古家はその眺望が得られる方向にほとんど窓がなく、せっかくの景色を楽しめなかったのです。
 眺望を最大限に活かすために、居間や浴室を二階にあげて西側に大きな窓をとることにしました。幅の広いバルコニーを設け、深く低い庇をかけました。これで西日をカットしつつ、室内から景色をパノラマ画面風に見るための枠にしました。一方、軒が深いと部屋が暗くなってしまうので、大屋根の上に採光のための越屋根をのせ、そのハイサイドライトから室内に光を導入しました。

ホームシアターを内蔵

  眺望とともにクライアントが楽しみにしていたのが大画面のホームシアターです。ただし、機器類は隠したいので、造り付けの収納家具をデザインしました。スクリーンやアンプなどは壁の戸棚に隠し、映写機はソファわきのサイドテーブルに仕込みました。
 バルコニーにはベンチを設け、江ノ島の花火を食事をしながら楽しめます。