桜新町の家

木の質感を大切に

 

天然木の家具が好きで新居には大きな一枚板のテーブルを入れる予定だから、家もそれにあわせて木質系のインテリアにして欲しい、というのがクライアントの要望のひとつでした。そこでフローリングの素材を吟味し、建具や造り付けの棚なども天然木の素材感にあわせてデザインしました。またキッチンやバスルームなどの素材も、ステンレスや白いタイルなど木の質感を引き立たせるような素材でつくっています。ウッドデッキに出るサッシも大きな片引きの木製サッシにしています。玄関の引き手はもちろん木ですが、インターホンのボタンも天然木でカバーして、家に入る前から木の肌触りを感じてもらえるようにしています。

のびのびした空間

 

世田谷の住宅街にある木造二階建て住宅です。古い宅地を縦に分割した、間口が狭くて奥に長い敷地です。この敷地の特性をうまく使ってのびのびとした感じを出そうと思いました。玄関から廊下、リビング・ダイニング、そしてウッドデッキまで、間仕切りをつくらず、木製サッシも壁に引き込めるようにして、空間を連続させました。また、床のフローリングとデッキ材も長手方向に張り、天井の照明はライティングレールを空間に沿って延ばしました。
リビング・ダイニングは大きな天然木のテーブルのまわりでくつろぐ椅子式のスタイルにするので、テーブルの高さに合わせて壁にテレビを取り付けました。また本棚の下のカウンターをパソコンなどの仕事の道具をまとめて置く事務スペースにしています。2階の子ども部屋の 上には太い梁を見せたロフトをつくり、収納と子どもの遊び場を兼ねています。

バスルームの洗面スペースと洗い場の仕切りはガラス張りにして明るさを確保し ています。バスルームのわきには目隠しルーバーで囲まれたバルコニーがあって、サッシを開ければ開放的なバスタイムを楽しむことができます。