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庭と暮らし 2

先日のW邸訪問では、芋ほり体験だけではなく、もちろん建物本体も一巡りさせてもらいました。暮らし始めてから発見したお気に入りの場所を教えてもらいました。

 

ロフトです。普通は荷物を保管するところとして作りますが、W邸のロフトは北面に大きな窓があり、扇垂木が手に届く高さにあります。人は立つことができませんが(ロフトなので1.4m以下の天井高さになります)ちょうど、床にぺったり座る感じです。その場所が冬には「そよ風」のおかげで温かく、包み込まれるような落ち着いた空間になります。夕食後、本を片手にくつろぐのにいいんですって。そして、雨の日は屋根に振り落ちる雨音も心地よく聞こえてくるそうです。初めはあまりにも大きな雨音で「こんなんじゃ、夜も寝られない!」と驚いたようですが、そのうち、その雨音が心地よくなり。雨の強い日、弱い日、雨の降り始め、終わりかけ、いろいろな音を楽しんでいるようです。北の大きな窓ガラスからは下の通りが見下ろせて、路上を行きかう人をちょっと観察。「大人は見られていることに気づかないけど、子供は時々気づくね~。子供たちが「あ!見てる!」って驚くのが、面白い。」「この前は、大きな鳥、トンビかな?すごく近くを飛んでるのを見てしまった!で、飛びながらこちらをぐっと見るの。あんな風に鳥の視線を感じるのは初めて。しっかり鳥の目が見えた!!」と、ロフトの楽しみ方をどんどん語ってくれるのです。設計しているときにも、ここは荷物置き場ではなく、ちょっとした時間を過ごす空間になるのだろうな、とは想定していましたが、想定を超える楽しみ方をしている様子を聞いて、こちらもうれしい限り。

 

話に耳を傾けてながら改めて家を眺めていると、お二人とも今までとは全く違った暮らしに、最初戸惑いながらもそれを受け入れ、そこから楽しみを見つけ、またその楽しみをまるで庭の畑で作物を育ているように、自分たちで成長させてくれているように感じました。しかし、よく考えてみると、お二人とも作家として日々ものを作り上げる作業をされているわけで、もしかしら新しいものを面白がるのはお手のものなのかもしれません。むしろ、その点に関してはこちらが刺激を受けており、お二人の作品を見ているうちに、少し版画への興味が沸き起こっています。 次回のブログ、お題はこれかな。